2022/07/16(最終更新日:2022/11/01)

みかん豆知識

下津みかんと有田みかんの違いとは!?特徴の違いやなぜ旬の時期が違うのか、解説します。

下津みかんと有田みかんの違いとは!?特徴の違いやなぜ旬の時期が違うのか、解説します。

全国には和歌山の有田みかんはじめ、愛媛の西宇和みかん、静岡の三ケ日みかん、長崎の西海みかんなど、様々な地域にブランドがあります。

そんな中で、蔵出しみかんで日本農業遺産に認定された下津みかん(地域商標は「しもつみかん」)も地域ブランド

ただ、日本地図で見ると有田と下津(現海南市)は隣町ですので、ほぼ同じ場所に位置しています。

和歌山県の地図、有田市と海南市(旧下津町)について

そんな中でなぜ「下津みかん」と「有田みかん」は別ブランドなのか?またどのような違いがあるのか?といったところを解説していこうと思います。

※ちなみに私は有田みかんの会社に6年勤めさせてもらった後、下津町でみかん農業をしているのである程度詳しいと思います♪

下津みかんと有田みかんの違いとは

場所の違い

まず、当たり前なところから行きたいと思います。
「しもつみかん」も「有田みかん」もその地域で作られたみかんであればどの農家さんでも使用できる地域ブランド。

なので
下津町(現海南市)で作られたみかんはしもつみかん
有田市で作られたみかんは有田みかん

となります。

そんなことは分かってるけど味とか特徴に違いはあるのか聞いてるんですけど・・・

というお声が聞こえてきそうですね。もちろんそこにもちゃんとした違いがありますので解説していきます♪

気候の違い

有田市と海南市、隣町ではありますが若干気候が違います。

以下が和歌山県の標高地形図なのですが

和歌山県の地形図
国土地理院ウェブサイト https://www.gsi.go.jp/kankyochiri/degitalelevationmap_kinki.html

有田市と下津町(海南市)の位置を当てはめるとこんな感じになります

有田市と海南市(下津町)の地形図の違い
・「和歌山県データ」(国土地理院) (https://www.gsi.go.jp/kankyochiri/degitalelevationmap_kinki.html)をもとに作成

すると2つほど気づくことがあるんじゃないかなと思います。

まず1つ目は標高の違い
下津町の方が標高の高い地域が多いことが分かると思います。

そして2つ目は山が南向きか北向きかの違い
地図は上が北、下が南となりますので、有田市は南向きの山が多く、下津町は北向きの山が多いですね。

以前 おいしいみかんができる条件 というブログで、

①温暖な気候で
②日当たりが良く
③水はけのよいところ

でおいしいみかんができるという紹介をしましたが、有田市は標高が高くなく(温暖で)、南向きで日当たりがよい、水はけのよい斜面が多いことが分かるかなと思います。

さすがは全国ブランド有田みかん。最高の立地ですね。

あれ?それなら下津みかんはいいとこなし!?と思われる方もいるかもいるかもしれませんが、もちろんそうではありません。

下津みかんではその条件を生かしたみかんの出荷方法がとられています。

出荷方法の違い

有田みかんはみかんの完熟期である11月~12月に最もいい状態のみかんに仕上がるため、収穫後はすぐに出荷されます。

木に成るみかん

一方で、標高の少し高いところで育った下津みかんは11月~12月ではまだ少し酸味が残るものもあります。(※下津町にも有田市のような条件の畑ももちろんあるため、あくまで全体的なお話です。)そんなみかんを美味しい状態でお届けするために、下津町ではそのみかんを貯蔵してから出荷します。

蔵出しみかん
貯蔵中のみかん

それが、日本農業遺産に認定された「下津蔵出しみかんシステム」。先人の知恵により、各畑には貯蔵庫があり、収穫したみかんをその貯蔵庫で2,3か月貯蔵してから出荷することで、酸味がまろやかで甘みも濃厚なみかんに仕上がります。

畑内にある蔵
畑の中にある貯蔵庫

酸がある=貯蔵で長持ちするということになりますので下津みかんは貯蔵に適したみかんになります

出荷時期の違い

というわけで、下津みかんと有田みかんはメインとなるみかんの出荷時期が異なります。

有田みかんは収穫直後の11月~12月
下津みかんは貯蔵後の1月~3月

になります。有田みかん、下津みかんがあるおかげで、和歌山では11月~3月まで旬の温州みかんを楽しめるんです。

味の違い

最後におそらく一番気になるであろう味の違い。それぞれの出荷方法やメインとなる品種が違うため、やはりある程度味の違いが出てきます。

下津みかんは貯蔵性のよい晩生みかんが主体で貯蔵によるコクのある味わいが特徴
有田みかんは早生みかんが主体で、とれたての新鮮で濃厚な味わいが特徴
になります。

※もちろん下津でも早生みかんを作っていますし、有田でも晩生みかんはあります。あくまでそれぞれの品種が多いよ!というお話になります。

品種の違いについては みかんの分類や品種~極早生、早生、中生、晩生って何?? をご覧下さい。

それぞれの特徴を感じながらどちらのみかんも楽しんでもらえると嬉しいです。

下津みかんと有田みかんの違いまとめ

最後に、下津みかんと有田みかんの違いをまとめると以下のようになります。

下津みかん有田みかん
場所の違い下津で作られたみかん有田で作られたみかん
気候の違い北向きの山地が多く、気温がやや低め南向きの山地が多く温暖な気候
出荷方法の違い収穫後2,3か月貯蔵してから出荷収穫後すぐに出荷
メインの出荷時期の違い1月~3月11月~12月
味の違い貯蔵によるコクのある味わいとれたての新鮮で濃厚な味わい
※場所の違い以外はあくまで一般的なお話となります

下津みかんや有田みかんを購入するなら

下津みかんのおすすめは上でも書いた通り年明けの蔵出しみかん。ぜひ以下よりお買い求めください。

蔵出しみかんの購入はこちら
クリックで購入ページへ飛んでいきます

有田みかんのおすすめはやっぱり11月~12月が旬の冬のみかん。その中でもオススメはこちら。自分が以前お世話になっていた有田みかんの会社で農林水産大臣賞も受賞している会社です。

有田みかんの購入はこちら
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ちなみに蔵出しみかんの藤原農園でも冬みかんや秋みかんも取り扱っています。この時期のみかんも喜んでもらえるように、マルチシートなどを使いながらおいしいみかん作りに取り組んでいますのでもしよければこの時期のみかんも食べてみて頂けたらと思います。

下津町の年末のみかんはこちら

蔵出しみかんの藤原農園の商品一覧ページはこちら

下津みかんも有田みかんも同じ和歌山のみかん。

下津みかんは平成31年に 下津蔵出しみかんシステム 
有田みかんは令和2年に 有田みかんシステム

がそれぞれ日本農業遺産に認定されています。

そして力を合わせて世界農業遺産を!というお話もありますので、ともに和歌山のみかんを盛り上げていけるように頑張っていけたらと思っています。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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この記事を書いた人藤原良太

蔵出しみかんの藤原農園HPを運営しています。
昨年から本格的に実家の農家を継いでみかん農業をスタート。
みかんを食べるだけでなく、どんなところで、どのように育ったか知ってもらい、よりみかんの魅力を感じて頂くことをモットーに頑張っていきます♪

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