2023/11/04(最終更新日:2023/11/04)

蔵出しみかん日記

今年のみかんの出来(2023)は?みかんの着色開始♪蔵出しみかん日記2023年11月編

今年のみかんの出来(2023)は?みかんの着色開始♪蔵出しみかん日記2023年11月編

11月に入り、ようやく朝晩の気温が下がってきましたね。
酷暑の夏を乗り越え、今年も無事に収穫のシーズンが近づいてまいりました
(とはいってもまだ暑い日もありますが・・・)

冬のみかんもしっかりと色づきが始まっています

いつもの蔵出しみかん日記の前に毎年恒例の今年のみかんの出来(2023)を気候の面から振り返ってみたいと思います!

気候から振り返る今年(2023年)和歌山のみかんの出来

休眠期(1~2月)

平均気温は平年よりも高めでしたが、1月下旬に寒波襲来。標高の高い畑では落葉が見られました。そういった木は今年実をつけられないので隔年結果に。また春のカンキツの一部は凍害が出た部分もありました。

発芽期(3~4月)

気温、降水量ともに、平年よりも高めで推移。みかんの生産にとって大事な春芽がしっかりと充実しました。

開花期(5月上旬)

今年の満開日は5月6日前後。春先の平均気温が高めだったため、平年より5日ほど早めになりました。今年は全体的には裏年ですが、3~4月の温暖で雨の多い気候により花が来やすい環境に。今年は裏年ですが、平年よりやや少なめの収穫量に落ち着きそうです

生理落果期(5月中旬~6月下旬)

気温は平均並みでしたが、和歌山県海南市では6月2日に1日で300㎜以上の雨が。この時期は排水さえされればみかんの木に影響はありませんが、道が崩れたり、みかん畑が崩れたりと、地域に大きな被害をもたらしました。

果実肥大期(7月~8月)

7月以降は美味しいみかん作りのためには乾燥が必要な時期。今年は夏場は高温乾燥が続いたため、美味しいみかんができる素地がしっかり出来上がりました。ただ降水量が少ない影響でみかんはやや小さめの傾向に

果実成熟期(9~10月)

9月以降も乾燥が必要な時期。今年は高温少雨で糖度は非常に上がりやすい環境に。その分、みかんは小さめの傾向が続いています。また高温の影響で秋のみかんは着色が遅めとなりました。

収穫期(11月~12月)

今後も引き続き高温が予想されています。浮皮にや果皮障害が出る前に収穫していくことが大事になりそうです。雨は平年並みの予定ですが、気温が高い中で雨風を浴びると成熟したみかんが傷んでしまうので、荒れないように祈るばかりです。

和歌山の今年のみかんの出来(2023)は?

豪雨災害や猛暑に見舞われた本年ですが、豪雨があったのは雨が必要な時期、猛暑、乾燥に見舞われたのは乾燥が必要な時期でしたので、本年みかんの品質自体は非常に良く仕上がっています

  • みかんの量:やや少なめ
  • 果実の大きさ:やや小さめ(裏年なのでばらつき有)
  • 糖度:やや高め

以上のような状態です。あとは高温時の風雨だけが心配なので、それだけはないように祈ってください。これからみかんシーズン頑張っていきます!

※当まとめはもちろん全体的なお話で、畑や地域、栽培環境によって差はありますので予めご了承下さい。

さてさて、前置きが長くなりましたが、今月もみかんの栽培風景やみかんの木の様子をお届けしていこうと思います。

12月には追ってきたみかんの販売もありますのでお楽しみに♪

ではでは、栽培日記スタートです(*’▽’)

みかんの生育

11月に入り、みかんの着色が一気に進んできました♪
昨月とは見違える色合いになってきています。畑がみかん色に色づいてきていい感じですね(^^)

ちょっと近寄ってみると

色合い鮮やか♪。仕上げ摘果を終えてみかんの着果量もちょうどいい感じになってきています

半分に割るとこんな感じ
皮は薄く、果汁の色も濃厚に。食べてみるともう十分美味しい仕上がりになってきていました♪

みかんの実の大きさは5.3cm
昨月は5.1cmだったので肥大がゆるやかになってきましたね!成熟期になり果実肥大が落ち着いているのが良くわかると思います!
つまり、養分が中身の充実に使われているということ。みかんがどんどん美味しくなってきています♪

※白い点々が気になるかもですが後程解説します!

こちらは今の時期の成長の目安を示す摘果ノギス。
こちらの畑は早生温州。Sサイズぐらいまでいくかなと思いましたが、この実は2Sどまりかも。畑全体としてはMサイズ前後に仕上がっています

今のみかんの果実品質は!?

さて、今月も品質調査として糖度と酸度を測ってみました

結果は・・・

年度糖度酸度果径
2023年11月1日11.10.955.3
2023年10月1日9.41.505.1
2022年11月1日10.11.056.6
糖度と酸度はサンプル検査なのであくまで目安となります!

昨月から糖度が1.7度上昇し酸度もしっかり下がりました。

昨年と比べると糖度は高めで酸度は低め。すごくいい感じの品質に仕上がってきています♪

秋の乾燥がみかんの糖度をぐっと上げてくれました。これから収穫までの1ヶ月でまたググっと糖度は上がっていきますのでお楽しみに

気候も相まって昨年より美味しいみかんになりそうです(^^)

みかんの栽培

さて、続いて先月の作業も紹介したいと思います!
昨月は防腐剤の散布、予備枝の作成、除草剤散布を行いました♪

防腐剤の散布

この畑の収穫は11月下旬の予定。収穫も近づいてきたので防腐剤の散布を行いました。

また貯蔵性を高めるためにカルシウム剤も混用して散布しました♪

いつも通り車に積んできて散布しました♪

散布するとこんな感じに。

カルシウム剤がみかんに乗って白い斑点がついています。カルシウムが付着することで、果皮の水分を蒸発させ、収穫期の浮皮を防止します。

浮皮は貯蔵性を著しく低下させるので、貯蔵産地にとってこのカルシウム剤の散布は非常に重要

果皮に白い斑点が残りますが、カルシウムですのでもちろん口に入っても問題ありません。気になる方はふき取ってからお召し上がりくださいませ♪

予備枝づくり

みかんは発芽した芽にその年には実はつかず、その翌年に花をつける性質があります。なので、今年実ばっかりだと来年全く実がつかないというようなことが起こります。

そうならないように剪定、摘果、施肥と管理していくのですが、この秋は今年実が少なく、来年実が多くなってしまう木に来年芽を出させる予備枝作りを行いました。
(ちょっと専門的です)

こんな感じの今年成っていない木は来年果実がたくさん着きすぎます。なので花が来る部分を切り落として芽が来るように調整してあげる必要があります。

横を向いた芽がたくさんある枝を

こんな風に坊主にします。

すると来年花が来る部分がなくなり、ここから来年新芽が出てきます!

もし詳しく知りたい方がいらっしゃいましたらYOUTUBEをご覧くださいませ

除草剤の散布

みかん作りは草との戦いでもあります。収穫前に今期3度目の除草剤散布を行いました。

ビフォーアフターが分かりやすいのでこんな感じです

BEFORE
AFTER

マルチを敷いているのでこの畑はマルチ以外の部分だけでいいのでラクチンですね♪
収穫に向けての準備が整いました

今年のみかんいい感じですので今月中の販売開始をお楽しみに

最後にお知らせ

冬みかん、とれたてしもつみかんの予約販売スタートしました!!

いよいよ冬みかんの販売がスタートとなります♪
冬はやっぱりこたつでみかん!

年末のみかんの味わいをお楽しみください♪

最後までお読みいただきありがとうございました

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この記事を書いた人藤原良太

蔵出しみかんの藤原農園HPを運営している蔵出しみかん農家です。
みかんを食べるだけでなく、どんなところで、どのように育ったか知ってもらい、よりみかんの魅力を感じて頂くことをモットーに頑張っていきます♪
蔵出しみかんをはじめとするみかんの魅力を発信し続けます

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