桜の満開から1ヶ月ほど後、みかん産地では町一帯があま~いみかんの花の香りに包まれます。
みかんの花は場所やその年の気候にもよりますが、和歌山県の有田市や下津町では5/10頃が満開期となります。
そんな芳しい香りを放つ花が今年のみかんの出来を左右するといっても過言ではありません!
今回はみかんの花の量や時期がいかに重要か、解説してみたいと思います。
みかんの花の量が重要な理由
①みかんの花が果実になる
これはご存じの方も多いと思いますが、みかんに限らず果物は花が咲いて、その中から果実が出てきます。以下の写真のような感じですね!※時期は和歌山県海南市下津町の目安
つまり、
花が多い=実がたくさんつく
花が少ない=実が少ない
ということになります。
というわけで、今年のみかんを実らせるために花は重要になります!
②みかんの花がついた芽には翌年花が来づらい
それなら花はあればあるほどいいのか!?
というとじつはそうではありません。
みかんには、今年出た芽に翌年花がつくという特性があります。
簡単に言うと以下のように花がついたところには
翌年以下のような春芽が出ます
そしてこの翌年この春芽に以下のように花が来る
といったように芽と花を繰り返しています。(もちろんそうならないこともありますが、全体的にはこのサイクルです)
つまり、花が多すぎて、芽が出ていないと、翌年花がつかない(みかんの実がとれない)ということになってしまいます。
毎年みかんをとるためには花と芽のバランスが大事!ということになります
やや分かりにくいですが、白いものが花、黄緑色が芽。一番手前の木ぐらいのバランスでちょうどいいぐらい。農家さんのやり方にもよりますが花:芽=5:5(もしくはやや芽多め)ぐらいがちょうどいい状態です
近寄ってみるとこんな感じですね!
花が少なすぎて芽ばかりだと今年の収穫量が少ない
花が多すぎて芽がないと翌年の収穫量が少ない
ということになってしまいます。
そうならないように
摘果、肥料、剪定などをやっていくわけですが、その成果が目に見えてわかるのがこの開花時期。(それぞれクリックすると、ブログやYOUTUBEに飛びます)
みかんの開花の時点で7割は勝負がついているという農家さんもいるほど、みかんの花は大事なのです。
みかんの花の時期が重要な理由
①みかんの蕾の期間が品質に大きく影響する
蕾が見え始めてから開花までに必要な期間は30日程度。25日よりも短くなってくると花が充実せず、この後の生理落果が多くなってしまいます。(ハウスミカンで起きる失敗です)
時間をかけて長い蕾を作るとそのあとの品質も良くなっていきます。
普通の気候であれば問題ありませんが、地球温暖化が進んで4月に高温が続くと、蕾の期間が短くなり、生理落果が・・・ということも予想されるので、今後はやや心配です。
②みかんの花が咲いてから成熟期までの期間が決まっている
みかんの花の満開から、60日間は細胞分裂期、その後、細胞肥大期、そして180日後成熟期。と開花から成熟までの期間は概ね決まっています。
開花が遅いと成熟が遅れますし、開花が早いと、完熟時期が早くなり、秋の高温多雨で果皮障害が発生する恐れがあります。
産地にもよりますが、和歌山県海南市下津町やお隣の有田市の場合、5月10日前後の平年通りの開花が望ましいですね。
まとめ
- みかんの花の量は今年、来年の収穫量を左右するため重要
- みかんの開花時期は今年の品質や成熟期を決めるので重要
- 和歌山県海南市下津町の平年開花日は5/10
今回はみかんの花について解説させて頂きました。
冒頭でも触れた通りみかん産地は5月のGW前後になるとみかんの花の香りに包まれます。
ぜひ、みかんの香りを感じに、和歌山に遊びに来てくれると嬉しいです。
最後までお読みいただきありがとうございました。