2021/08/10(最終更新日:2021/08/14)

みかん豆知識

おいしいみかんができる条件。みかんの特産地やその特徴を紹介します。

おいしいみかんができる条件。みかんの特産地やその特徴をみかんの生産量ランキングとともにご紹介

おいしいみかんができる条件って皆さんご存知ですか??

冬はやっぱりこたつでみかんといわれるほど、みかんは皆さんに愛される果物。

そんな中でも濃厚でおいしいみかん、味の薄いみかん、すっぱいみかん、いろんなみかんに出会ったことがあると思います。なぜこんなにも違うのだろう?と思ったことはありませんか?

こちらでは、おいしいみかんの条件を栽培環境から紹介してみたいと思います。よりみかんに詳しくなって、よりおいしく、みかんを食べましょう♪

おいしいみかんができる条件

おいしいみかんを作るためには大きく分けると以下3つの条件がそろっていることが重要となります。

条件1:温暖な気候

みかん栽培の基本は気候です。気温が低いところではみかんの酸味が残ってしまうためおいしいみかんはできませんし、低すぎると木が枯れてしまいます。また逆に気温が高すぎても、みかんに浮皮が発生しますし、木になかなか実がつかなくなってしまいます。

年間平均気温17度ぐらいの温暖な気候、また夜に気温が下がりすぎないことがおいしいみかんを作るうえでの基本的な条件となります。

条件2:日当たりがよいこと

みかんは植物ですので、光合成によって養分を作り出します。光合成には日光が不可欠。日当たりの良いところでは光合成が活発に行われるためより多くの養分を作り出すことができます。葉で作り出した養分がたっぷり実にいきわたることでおいしいみかんが出来上がります。

また少し細かい話ですが、昼間の強烈な太陽光でも、朝日のような柔らかな太陽光でも光合成のスピードはそれほど変わりません。(難しく言うと光飽和点というやつですね。)それよりも、長い時間、まんべんなくいろいろな葉に光が当たることが重要になります。

条件3:水はけがよいこと

みかんの成長には水が欠かせませんが、おいしいみかんを作るには水を吸収しすぎるのもよくありません。なんとなくイメージが湧くかと思いますが、水をたくさん吸うと、水っぽいみかんになってしまって、糖度の低いみかんになってしまいます。かわいいみかんの木ですが、ある程度厳しく育ててあげることが必要になります。子育てみたいですね!

なので雨が降っても水がとどまってしまわない水はけのよさが重要となります。

以上3点を満たす場所が、おいしいみかんができやすい環境になります。では、そんな条件を満たすのはどんな場所なのか、紹介します!

おいしいみかんができる場所

そんなおいしいみかんができる条件を満たす場所はどんな場所なのか。

それは「太平洋側の海が見える南向きの急傾斜地」です。
なぜそんな場所がよいのか。①南向きの急傾斜地であること②太平洋側の海が見えること、2つに分けて解説していこうと思います。

①南向きの急傾斜地

南向きの急傾斜地がなぜ、みかん栽培に適しているのか。
それは、おいしいみかんができる条件2の「日当たりの良さ」と条件3の「水はけの良さ」に関わってきます。

太陽は東から昇って南の空を通って西に沈んでいきます。北を向いている斜面よりも南向きの方が、より多くの太陽光を浴びることができます。
また平坦地と傾斜地で比べると、傾斜地の方がより立体的に木に光が入るので、太陽光を効率よく浴びることができます。
なので南向きの急傾斜地ではたくさんの太陽を浴びることができるため、おいしいみかんができやすくなります。

さらに急傾斜地では雨が降っても土壌の水分がすぐに流れていくため、非常に水はけがよくなります。これもおいしいみかんの条件を満たしますね!

②太平洋側の海が見える場所

続いて太平洋側の海が見える場所がなぜみかん栽培に適しているのか。
それはおいしいみかんができる条件1の「温暖な気候」と条件2の「日当たりの良さ」に関わってきます。

まず海との距離は昼と夜の気温差に大きく関係します。海が近いほど気温差は小さくなり、離れるほど気温差は大きくなります。昔理科で習った記憶がある人もあるかもですが、海の水の方が、陸地の砂や石よりも熱しやすく、冷めにくいからです。夏のプールの冷たい水とアツアツのプールサイドを思い浮かべるとピンとくるかもしれないですね。

話を戻しまして、みかんは夜の気温が下がらないことが重要と上で説明しましたが、昼と夜の気温差の大きい内陸の方では、夜温が低くなってしまうため、みかん栽培に適しません。逆に海が近いと昼夜の温度差が小さくなるので、みかんにとって良い環境となります

またさらに、海が近いと、海水面からの反射によってより太陽光を効率よく浴びることができます。本当に!?と思った方はぜひ、下の写真をご覧ください。夕日が海水面に反射して、みかんの木に降り注いでいるのが分かります。

夕日と海面の反射光を浴びるみかんの木

上でも説明した通り、みかんの木が効率よく光合成するには強い光を浴びるよりも、まんべんなく光が当たることが重要。水面から反射した光はまさにみかんの木を包み込むような光なので、内側の葉にも光が行き届きます。

したがって山の斜面から海が望めるぐらいの海との距離であることが、おいしいみかんができる条件になります。

太平洋側が適しているのは、日本海側では気温が低すぎるためですね。なのでざっくり太平洋側であることが必要で、瀬戸内海に面している場所や、九州の場合は日本海側でもみかん栽培に適した土地である場合もあります。

日本のみかん特産地マップ(みかんベルト)

こちらが日本のみかん特産地マップです。

みかんの生産量が多い県TOP10

日本のみかんの生産量ランキング(2019年)は
1位和歌山県(有田市)
2位愛媛県(宇和島市)
3位静岡県(三ケ日)
4位熊本県(熊本市)
5位長崎県(西海市)
6位佐賀県(唐津市)
7位広島県(尾道市)
8位愛知県(蒲郡市)
9位福岡県(みやま市)
10位三重県(御浜町)

※()内はその県の主要産地市町村を示しています。

地図からもわかる通り、太平洋側の海の近くにみかん産地が並んでいますね。九州は少し南よりなので、日本海側にも少し産地があることが分かります。
この一帯は「みかんベルト」と呼ばれたりもしていて、みかん栽培に適した土地が連なっています。

面白いことに県が違っても、どの産地でも山から海が見渡せる、同じ景色が広がっています。
日本では江戸時代の少し前から栽培が盛んになり始めたみかんですが、400年以上の歳月をかけて、自然と上で紹介したような適した産地で育てられるようになったんですね!

以上、今回はおいしいみかんができる条件を栽培環境や気候条件から紹介してみました♪

みかん栽培もいろんな技術が出てきていますが、やはり植物ですので、適地で作るのが何より重要。
スーパーでみかんを見かけたら、産地を見て、そのみかんの育った環境にまで思いをはせてくれると嬉しいです。適した産地のみかんがおいしければ、やっぱりなと思ってくれると嬉しいですし、適していない場所でもおいしい場合は農家さんの努力に感動してもらえたらと思います!

ちなみに蔵出しみかんの藤原農園のある和歌山県下津町は日本一の生産地である有田の隣町。みかん山から町を見下ろすと海が広がっています。このブログで使った写真はすべて、家の畑から撮った写真になります。

各産地のみかんを楽しむ中で、ぜひ下津のみかんもぜひお召し上がりくださいませ♪

商品一覧はこちらから 

※販売は9月~4月頃となります

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この記事を書いた人藤原良太

蔵出しみかんの藤原農園HPを運営しています。
今年から本格的に実家の農家を継いでみかん農業をスタート。
みかんを食べるだけでなく、どんなところで、どのように育ったか知ってもらい、よりみかんの魅力を感じて頂くことをモットーに頑張っていきます♪

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