みかんの品種や分類って色々あって分かりづらいですよね・・・
ひとくちにみかんといってもどんな種類があるのかよくわからない方も多いと思います。
こちらでは温州みかんを完熟の時期により分類された「極早生みかん」「早生みかん」「中生みかん」「晩生みかん」について、またその代表品種について紹介します!
みかんの分類、特徴一覧
早速ですがそれぞれの時期の温州みかんの特徴を簡単に一覧にすると以下のようになります。
極早生みかん
旬の時期:9月~10月
果皮の色:緑色~黄色
早生みかん
旬の時期:11月上旬~12月
果皮の色:橙
中生みかん
旬の時期:11月下旬~12月
果皮の色:橙
晩生みかん
旬の時期:12月~2月
果皮の色:橙
※あくまで一般的な話なので、品種や栽培状況によって差はありますのであらかじめご了承を。
秋から年明けまで、半期にわたり様々な温州みかんが楽しめます。季節により、様々な品種がありますので、極早生みかん~晩生みかんまでいろんな品種を詳しく見ていきましょう!
極早生みかんの品種および特徴
極早生みかんとは?
極早生みかんはの9月~10月に旬を迎える、温州みかんの中で最も熟期が早い、つまり着色が早く、減酸も早いみかんになります。最大の魅力は秋にみかんが食べられること。冬以降のみかんと比べると、糖度は低めで酸度は高め、甘酸っぱい味わいのみかんですが、暖かいシーズンにはむしろちょうどいいです。極早生みかんの中でも様々な品種があります。近年では食味のいい品種も出てきているのでその一部を紹介いたします♪
極早生みかんの品種
日南1号 | 1979年に宮崎県日南市にて、興津早生の枝変わりとして発見された。比較的栽培しやすい品種であるため、流通量が多い。9月中旬~10月にかけて出回る極早生みかんの代表品種。 |
ゆら早生 | 1985年に和歌山県由良町で宮川早生の枝変わりとして発見された。一般の極早生品種に比べ、糖度が高く、薄皮も薄い。まんまるのかわいらしい形が特徴。9月中旬~10月にかけて旬を迎える極早生みかんの優良品種。 |
YN26 | 2012年に和歌山県の試験場にてゆら早生をもとにして育成された。一般の極早生より、収穫時期が早い上に、食味はゆら早生の特徴を受け継いでいる。9月中~下旬に旬を迎える極早生みかんの新品種。 |
ゆら早生は名前のせいで早生みかんと間違えられがちですが、極早生品種。昔よく言われたすっきり味わいの「運動会みかん」とは一味違いますので、ぜひ食べてほしいです(^^)
早生みかんの品種および特徴
早生みかんとは?
早生みかんは11月上旬~12月に旬を迎える、糖度が高く、じょうのう膜(ふくろ)も非常に薄い、温州みかんの中で最も食味のよい品種です。冬のこたつの上に置かれていたり、お歳暮として利用されているみかんはこの早生みかんが多いです。極早生みかんと違い、優良品種の食味はほとんど変わりませんが、代表的な品種を紹介します。
早生みかんの品種
宮川早生 | 大正初期に福岡県柳川市にて枝変わりとして発見され、1925年に命名された。それ以前は晩生(普通)温州が主要品種であったが、宮川早生の登場により、早生みかんが安定して生産できるようになった。現在栽培されている早生みかんのほとんどはこの宮川早生由来。 |
興津早生 | 1940年に現・農林水産省 果樹試験場興津支場において珠心胚実生個体から選抜され、1963年に登録された。宮川早生よりやや糖度が高く、熟期もわずかに早い、樹勢がやや強い等の特徴を持つ。 |
田口早生 | 1978年に和歌山県吉備町にて興津早生の枝変わりとして発見、1995年に登録された。興津早生よりも若干減酸の時期が早く、食味が良い。樹勢は興津早生よりもやや強い。 |
極早生品種と違い、それぞれのみかんの特徴の違いはわずかであり(正直食べても違いが分かりません)、土地柄や栽培の方法によって食味に差が出るため、品種名ではなく、ブランド名として販売されることが多いのが特徴です。ex.味まろみかん、出島の華等
中生みかんの品種および特徴
中生みかんとは?
中生みかんは11月下旬~12月に旬を迎える、糖度は比較的高く、じょうのう膜は早生みかんよりもやや厚めである、早生みかんと晩生みかんのちょうど中間的な特徴を持つみかんです。浮皮が発生しやすい系統が多いが、浮皮が発生しにくい品種や、非常に糖度の高い品種も出てきていますので、一部をご紹介します。
中生みかんの品種
向山温州 | 1934年に和歌山県かつらぎ町にて枝変わりとして発見された。糖度は高めで酸味は少なく、早生みかんよりもややじょうのう膜の厚い、いわゆる中生みかんの代表品種。浮皮が生じやすい。 |
石地温州 | 広島県倉橋町にて発見され、2000年に登録された。向山温州に比べて浮皮が生じにくく、糖度が高くなりやすい。ただ、木を大きくするのが難しいため、収量が限られる。栽培の難しい品種。 |
きゅうき温州 | 和歌山県宮原町にて発見された1樹変異個体で2011年に品種登録された。石地温州と同じように浮皮が発生しにくく、早生みかんのように、じょうのう膜が薄い。早生みかんよりも熟期が遅い中でも、早生品種のような食味を楽しめる。石地温州同様、収量が限られる。栽培の難しい品種。 |
中生みかんのブランドは少ないですが、優良品種も出てきています。栽培の難しさがネックになっていますが、今後期待大。年末に出回ることが多いですが貯蔵することで中生みかんも年明けに出荷可能です。
晩生みかんの品種および特徴
晩生みかんとは?
晩生みかんは12月~2月に旬を迎える、じょうのう膜が厚く甘みが濃厚なみかんです。貯蔵性が高いため、11月~12月に収穫したみかんを3月~4月ぐらいまで貯蔵することも可能。温州みかんの中で最も歴史が長い。晩生みかんについても主要品種、優良品種を紹介します。
晩生みかんの品種
林温州 | 和歌山県で発見された尾張系温州の枝変わりで歴史は非常に長い。晩生品種は果実が大きいものが多いが、林温州は温州みかんの標準サイズ。じょうのう膜が厚めで、長期の貯蔵に適している。晩生みかんの主流品種。 |
大津四号 | 神奈川県湯河原町で育成された系統で1977年に品種登録された。果実が横長で扁平であるのが特徴でやや大玉になりやすい。果皮が美しく、特有のテリがあるのが特徴。収穫直後はじょうのう膜が厚いが、貯蔵することで、柔らかくなり、食味が向上する。 |
青島温州 | 静岡県静岡市にて尾張温州の枝変わりとして1900年代前半に発見された。果実はやや扁平で大玉傾向。高糖度で浮皮の発生が少なく、じょうのう膜がやや硬めであるため、貯蔵に適した優良品種。静岡県の主力品種となっている |
丹生系温州 | 和歌山県有田市の丹生(にゅう)地区にて100年以上前から栽培されている。品種特有のウィルスの影響で、普及しなかったが、ウィルスフリーにすることに成功し、生産が可能となった。実がつきにくい等といった特徴があるため、栽培は難しいが、味が濃く、特有の香りがあり、風味は最高級。 |
蔵出しみかんで有名なしもつみかんはこの晩生品種を貯蔵していることが多いです。じょうのう膜は厚めですが、その中から甘みの強いコクのある果汁がたまりません。丹生系はぜひ皆さんに食べてもらいたいです♪
いかがでしたでしょうか?
ひとくちに温州みかんといってもこれだけ多くの分類や品種があります。
それぞれの特徴を知ったうえで食べてみると、よりみかんの味わいを楽しめると思います。それぞれの季節の旬のみかんをぜひお楽しみください♪