こんにちは。
蔵出しみかんの藤原農園、藤原です。
11月になり、少しずつ冬の装いとなってきました。
朝夜ひんやり。いよいよみかんシーズンがやってきたな!という感じです
というわけで冬のみかんもどんどん色づいてきました♪
いつものみかん日記の前に、これからいよいよ収穫なので、今年のみかんの出来を気候の面から振り返ってみたいと思います!
(ちょっと専門的な話も入っていますが、さらっと見てもらえたらと思います)
気候から振り返る今年(2022年)の和歌山のみかんの出来
休眠期(1~2月)
平年に比べ低温少雨で落葉が多く、元気のない木には落葉が目立ちました。落葉した木は隔年結果が拡大することに( ;∀;)
発芽期(3~4月)
年明けの低温の影響で春芽の発芽は例年より遅め。
ただ3月後半から高温の日が続き、春芽は充実しました。
開花期(5月上旬)
年明けの気温は低かったものの、春先の気温は高かったため、結果的に満開日は平年並み(5月10日頃)に。
和歌山県は今年表年ですので、花は昨年比3割増になりました!
生理落果期(5月中旬~6月下旬)
後日訂正されましたが、今年は観測史上最も早い梅雨明けと騒がれました。というわけで6月は空梅雨に。高温と乾燥が続き、生理落果が助長され、平年より多くのみかんが落果しました。
果実肥大期(7月~8月)
7月下旬~8月中旬の水分ストレスが必要な時期にしっかりと乾燥。ほぼ雨が降らなかったため、おいしいみかんができる素地が出来上がりました。また8月下旬の水戻し期には適度な雨が降り、みかんにとって理想的な7,8月となりました。
果実成熟期(9月~10月)
9月中旬以降は再びみかんにとって乾燥が必要な時期ですが、今年は9月10月と高温多雨となりました。
7月8月においしいみかんができる素地はできたものの、この雨で糖度は少し伸び悩み。また裏年の木は秋芽が多く発生しました。ただ大規模な台風は来なかったので良かった良かった。
収穫期(11月~12月)
夏場の乾燥で美味しいみかんの素地はできているので、ここから晴天が続けばこれからぐっと糖度は上がります。今のところ晴れの多い天気予報ですので、これからしっかり糖が乗ってくると思います!
和歌山の今年のみかんの出来(2022)は?
秋雨が多いことが気にかかりますが、それ以外は台風の被害もなく、概ねみかんの生育に適した気候となりました。
- みかんの量はやや多め
- 果実の大きさはやや大きめ(生理落果が多かった影響)
- 糖度は現状やや低め、これから上がっていく素地のある状態
以上のような状態です。他産地は今年裏年のところも多いとのことですので、和歌山のみかん、頑張っていきたいと思います。これからの晴天を祈ってください♪
※もちろん全体的な話ですので、畑によっていろいろと特徴はありますのでご理解くださいませ。
さてさて、前置きが長くなりましたが、今月もみかんの栽培風景やみかんの木の様子をお届けしていこうと思います。
12月には追ってきたみかんの販売もありますのでお楽しみに♪
ではでは、栽培日記スタートです(*’▽’)
みかんの生育
前回のみかんの木から1か月が経過しましたが・・・
いよいよ着色が始まりました!
畑にきれいなみかん色が映えています♪
近づいてみると・・・
みかんがしっかりと色づいてきていますね♪
そろそろ食べられそうな感じです♪
大きさを計ってみると・・・
前回よりもさらにみかんが大きくなりました!
サイズは6.6cm。
前回の5.8cmから0.8cm大きくなっています。
若木ということもあり、畑全体としては少し果実は大きめになったのですが、このみかんは目標の6.5cmに近いところで止まってくれるかなと思います♪
また、半分に切ってみると・・・
こんな感じ。前回よりも色が濃くなった感じがしますね♪
果汁量もかなり増え、少し搾っただけで果汁があふれてきました。
思っていたよりも酸切れがよく、もう十分に食べられる感じです♪
いよいよ収穫が近づいてきました。たのしみです!
みかんの栽培
さて、続いて先月のおいしいみかん作りのための作業も紹介したいと思います!
昨月は収穫前防除や、秋肥の施用、予備枝の作成を行いました♪
収穫前防除
いよいよ収穫が迫ってきたので、防腐剤とカルシウム剤の散布を行いました。
みかんは生もの。どうしても傷むときは傷んでしまいます。その傷みを減らしてくれるのがこの防腐剤。こちらは早生みかんなので比較的早めに出荷しますが、みかんを貯蔵する蔵出しみかん農家にとっては特に欠かせない作業になります。
また、カルシウム剤は皮に付着すると、みかんの気孔を開かせる作用があるため、みかんの果皮の蒸散が進み、みかんを引き締め、浮皮を軽減させ、貯蔵性を高める効果があります。
果皮に白い点々が残るので、お届けした際に少し不安を持たれるお客様もいらっしゃるのですが、おいしいかつ、貯蔵性を高めるためには欠かせないものになりますのでご理解いただけますと幸いです。
商品ページでもこんな感じで説明させて頂いております。
当然ながら口に入っても体に害は一切ございませんのでご安心頂けますと幸いです。
秋肥の施用
頑張ったみかんの木に、「ありがとう」の思いを込めて作業するので「礼肥」ともいわれる秋肥を施用しました。
今年の冬を超え、来年もしっかりとみかんをつけてもらうには、秋肥は欠かせません。
ただ・・・
最初の写真の通り、この畑はマルチ栽培をしているので通常の肥料を与えることが出来ません(;’∀’)
とはいっても頑張ったみかんに対してご飯抜きなんてことはとてもできないので、灌水チューブを使って液肥を与えることにしました!
こんな感じ!
まずは園内の井戸から水をくみ上げ、
タンクに貯めます。
そして液肥を入れて混ぜます。(液肥混入機があればいいですが、ないのでタンクで混ぜ合わせ。)
で、混ぜ合わせた液肥をポンプで吸い上げ、
園地の配管へ。
マルチの下にある灌水チューブを通って、畑に施肥される!という感じです。
想像以上に時間がかかって大変でした(;’∀’)
ただこれで、みかんの木は来年も頑張ってくれると思います♪
予備枝の作成
毎年美味しいみかんをつけてくれるように、予備枝の作成を行いました。
みかんの木は1年前に出た芽に花がつくという特性があるため、枝は1年ごとに芽と花を繰り返します。
そのためしっかりとした管理をしないと2年に1回しか実をつけない、隔年結果が進んでしまいます。
それを防ぐのが予備枝の作成。
昨年少し成らせ過ぎて隔年結果してしまった木の予備枝を作ってみました。
少し専門的な話になるので木になる方はYOUTUBEをご覧ください♪
ざっくりいうと、来年花まみれになる木に芽を出す場所を作ってあげたという感じです。
今年は摘果をきっちり行い、秋肥もやり、予備枝も作ったので、隔年結果は直っていくと思います♪
果汁検査
そして、今月も果汁検査を行いました!
11月上旬に測ってみたのですが、ちゃんと糖度は上がってきています。
糖度 | 酸度 | 果径 | |
---|---|---|---|
当園の結果 | 10.7 | 0.94 | 6.1 |
最終的には
糖度12度 酸度1度以下 果径6.5 ぐらいを目指しています!
まだまだ若木なのでどうなるか分かりませんが、しっかりいいみかんにしていきたいと思います。
現状でも酸切れがいいので食味は良好です♪
これから1か月でまだ糖度が上がると思うのでお楽しみに。
11月の乾燥で糖度が一気にぐっと上がりました!
詳しくは12月の栽培日記を♪
こんな感じで、毎月みかんの木の様子と作業の様子をお伝えしながら、12月1日にこの畑のみかんを販売したいなぁと思っておりますのでお楽しみに♪
最後にお知らせ
冬みかん本番!
こちらの栽培日記で1年間紹介したみかんもいよいよ販売開始となりました!
栽培のストーリーとともに、旬のみかんをぜひお楽しみくださいませ♪
最後までお読み頂き、ありがとうございました