皆さん、清美という品種ってご存じですか?
「そんなの知ってるよ!」
と思った方・・・ちょっとヤバいかもしれません。
今日はみかんやオレンジの品種名でのあるあるの間違いを解説したいと思います。
清美じゃなくって正しくは・・・のアレを早速注文したい方はこちらをクリック
そもそも清美という品種はある?
まずは結論から行きましょう!
清美(きよみ)という品種は・・・ありません!
正しくは「清見」ですね。
清美はものすごく美しい響きで、きよみと聞くと最初は大体こっちかな?と思われます。なのでみんな最初は間違えますのでご安心ください。
逆に今日から一歩リードですね♪
清見の由来とは?
では、清見の名前の由来はどこから来ているのでしょうか?
清見の名前は実は地名から来ています。
清見は1949年に静岡県の農研機構果樹研究所カンキツ研究興津拠点にて、作られた品種。
そのカンキツ研究興津拠点近くの、海岸を清見潟といい、その清見潟からとって命名されたそうです。
清見潟は文学的にも有名な場所みたいですね♪
清見の発明は革命的だった!
せっかくなのでこの「清見」について深堀していきたいと思います。
清見の育成は実はカンキツ業界にとって非常に画期的なものになりました。
それは清見が単胚性という特徴を持っていたからです。
(ここからの説明はちょっと難しいので簡単な清見の特徴を知りたい方はこちらをクリック)
単胚性と多胚性って?
植物の種子は一見ひとつの種に見えてもその中には「胚」と呼ばれる組織があります。「胚」は、種子の胚乳という部分から養分を吸収して育ち、発芽し根を伸ばして植物体になります。シンプルに1つの種子から1個体の植物体が繁殖される場合、このような種子を「単胚種子」と呼びます。
これに対し、1つの種子から複数の植物体を繁殖する種子もあり、これを「多胚種子」と呼びます。
単胚性の場合は育種でかけ合わせた際に新しい個体(交雑種)ができます。
それに対して多胚性の場合は交雑種ができるのは1つのみで、ほとんどは親のクローンとなります。
温州みかんはこの「多胚性」という性質を持っているので、それまで新品種を育成するのが非常に困難でした。
そこにこの清見が現れたことにより、カンキツの育種が一気に進むことになりました。
清見が親の品種一覧
清見が親となっている品種をざっと紹介してみたいと思います
不知火(しらぬい)
デコポンブランドで有名な品種ですね。
こちらは清見にポンカン(中野3号)をかけ合わせて生まれた品種です
はるみ
はるみは実は不知火と同じかけ合わせ。
清見にポンカン(F-2432)を交雑して育成された品種。
ポンカンの品種が違います。
津之香(つのかおり)
津之香は清見と温州みかんのかけ合わせ。
清見と温州みかんの中間の特徴を持ちます。
その他にも、せとかや麗紅など、様々な品種が清見から生まれています。
清見はいわばカンキツ界のゴッドファーザー的存在ですね。
和歌山らしく白浜のパンダでいうと永明君という感じです。
(中国に帰国しましたが、彼が和歌山に与えた影響は、清見がカンキツ界に与えた影響と遜色ないですね。)
清見が食べたい方はこちら
随分話がそれましたが、おそらく「清美」と調べられた方は「清見」に興味があったのではないでしょうか?
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(販売時期は3月~4月です)
オマケ:清美という単語はあるのか?
そういえば清美なんてないよ!というと、勘違いを生みそうなので、触れておきます。
「清美(きよみ)」というみかんの品種はありませんが、「清美(せいび)」という単語はあります
清美(せいび):清らかで美しいこと。清純であること。また、そのさま。
とってもきれいな言葉ですね!
みかん栽培には清美に取り組んでいきたいと思います!
最後までお読みいただきありがとうございました。