本日2025年7月3日。
蔵出しみかんの藤原農園が蔵出しみかんの藤原農園株式会社となりました。
なんで法人化するの?と聞かれることもしばしばなので、法人化をした理由と今後取り組んでいきたいことについてまとめておこうと思います。
法人化の理由
大きな理由は2つ。1つ目が今後への決意表明、2つ目が従業員が働きやすい環境づくりというところになります
1、今後への決意表明
みかん農業だけではない大きな課題ですが、後継者不足による農業者の高齢化が進んでいます。当然自分が住んでいる和歌山県海南市下津町小畑地区も同じ状況、もしくは一歩先を行っている状況です。後継者がいないということは、畑を守る人がいなくなり、耕作放棄地となるということ。そうなると生産量が減り、何年も積み重ねられてきた地域ブランドが縮小していくことになります。
さらにみかん始め果樹の難しいところが苗木の育成期間が長いところ。一度耕作放棄地になると収穫できる畑として再生するのに5年~10年はかかります。
また、1年畑を放置すると、そこに植えている木を復活させるのは困難になります。
なので、高齢化が進む地域で農地を守っていくためには、畑をやめるそのジャストタイミングで、誰かが借り受ける必要があります。
畑をやめられる方も、何十年も丁寧にみかん作りをしてきた畑が荒れていくというのは非常に寂しいことで、畑を引き継いでほしいと思っている方は多いです。
また、新しく農業を始めたい!という方も一定数いらっしゃいます。
ただ、新規就農者や、面識のない他人にいきなり農地をお願いするというのは非常に難しいことで、そこが大きな課題となっています。
自分自身が就農してこの課題と向き合おうと思ったときに、「新規就農支援」と「雇用」の2択があるかなと考えていました。
新規就農支援は当園で何年か修行してもらって、みかん栽培ができるようになったタイミングで自分の農地をもって独立してもらうという形。
雇用は藤原農園の従業員として雇用し、藤原農園が農地を広げてそこで従業員さんと一緒にみんなで農地を管理していく形。
結構悩んだんですが、その時に来てくれていた従業員(現社員)さんとの話し合いや、視察へ行く中で、自分の中で、農地を貸す側、借り入れる側両方の責任をきっちり果たせるのは雇用かなというところが腹落ちしたので、藤原農園は雇用という形で、地域課題に向き合っていきたいと決めました。いろんな責任を持つことになるので、いろいろと考えましたが、農業塾での学びなどもあり、決めました。やります。
※新規就農支援ももちろん希望があれば制度設計等検討しています。ただ基本は雇用させて頂いてみんなの力を合わせてみかん栽培をしていきたいと思っています。
さて、そうなると次に出てくるのが「人が先か、畑が先か」という課題です。人を先に入れると、お金の面で厳しくなる。畑を先に増やすと、作業の面で厳しくなる。
これもまたいざやるとなると結構大きな課題だったりします。
ただ、畑を借り入れるときは先方のタイミングがあるので、決まることはない。雇用に関してはこちらからのアクションで動くことが出来ると考えたときに、人を雇用して借り入れられる状態を先に作るという方向で動き、今後もその方向で動けるようにしたいなと考えています。(もちろん財務状況や地域の畑の状況を考えながらです)
となると、多少の先行投資は必要だなぁというところもあり、制度資金を利用したり、借り入れする場合において信頼が大きい法人化をするほうが出来る事の幅は広がっていくかなと考えています
というわけで、法人化の理由1つ目は今後地域課題に向き合っていくという決意表明になります。※当然ながら無尽蔵にはいけないので、自分のできる所から一歩一歩やっていこうと思っています
2、従業員が働きやすい環境づくり
法人化の理由2つ目が従業員の働きやすい環境づくりのため。1つ目の理由にもつながっていますが、やっぱり自分がそういう方向に進んでいこうと思えたのは、一人目の従業員さんがいてくれたから。家族農業に外から入ってきてくれて、一緒に汗を流し、みかんづくりをしてくれる。制度も整っていない中でも一生懸命やってくれて、そのおかげでやれることも増えていく。
ヒト、モノ、カネといいますが、人がいるというのは非常にありがたいことで、来てくれている方が安心して働ける環境を作りたいと強く思いました。
そうなったときに、やっぱり社会保険の加入や、農業だからという特例のない雇用制度をしっかり作りたいと思い、2年前から整備してきました。
結果的に法人化の時の一つの判断基準といわれる社保の加入などは既にしているので、そういう意味での法人化のハードルはなく、むしろ法人化することでより従業員さんに安心して働いてもらえるかなと思っています。
法人化して制度設計をしっかりとして、従業員さんに安心して、かつやりがいをもってみかん農業をしてもらいたい。これが法人化2つ目の理由です
3、その他もろもろについて
あとは税制面や対外的な信用力みたいな部分も法人化においてよく語られるところだと思います。ただ今の当園レベルでは税制面はむしろマイナスかなという感じなので判断基準ではないですし、対外信用力はもちろん形も大事ですが、ほんとに大事なのは中身かなと思ったりもするので大きな理由にはなっていないです。※ただ個人事業主としていろんな手続きをするのは本当に煩雑なので、その辺にメリットはでてくるかなと思っています。
社名について
さて、長くなりましたが、法人化の理由は仲間とともに地域産業、蔵出しみかん産業を盛り上げていくためとなります。
社名は 蔵出しみかんの藤原農園株式会社
和歌山県海南市下津町の特産品である蔵出しみかんを中心に据えて頑張っていきたいという想いを込めています
今後取り組んでいきたいこと
法人化した理由で気が付けばほぼすべて書きました。
後継者不足による高齢化、耕作放棄地の増加といった課題を少しでも解決し、地域の文化を守り、受け継ぎ、みんなでよい農業を作っていきたいというのが、今後やっていきたいことになります。
和歌山県海南市下津町の蔵出しみかん文化を受け継ぎ、発信、交流しながら「良い農業」を育くんでいきます。
これが当園の経営理念です。
もう少し深堀りした部分は藤原農園とはのページにありますので、興味のある方は是非ご覧ください
自分に近い所から、自分にできる事からやっていこうと思っています!
本日を新たなスタートラインと思って頑張っていきます。
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